ストックフォト

【知っておいて損はない】ストックフォトと法律・権利の話

2020年9月29日

こんにちは。フォトブロガーのLitra(@LitraTokyo1)です。

誰でも気軽に撮影した写真を販売できるストックフォトサービス。

そんな便利なストックフォトサービスですが、写真を販売するにあたって留意しなければいけない法律や権利があります。

今回はストックフォトに関する法律・権利について触れたいと思います。

ストックフォトと法律・権利のイメージ

ストックフォトに深く関わる法律・権利とは

ストックフォトに深く関わる代表的な権利として知的財産権、肖像権、施設管理権の3つがあります。

知的財産権については特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、回路配置利用権、商号、不正競争の防止、育成者権という複数の権利から成り立っています。

この内、特に気をつけなければいけない権利は、商標権著作権です。

また、被写体が人である場合には肖像権に、施設などの撮影においては施設管理権にそれぞれ留意する必要があります。

①知的財産権
・商標権
・著作権

②肖像権
③施設管理権


知的財産権

知的財産権は以下のように定義されています。

知的財産権とは
人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などには、 財産的な価値を持つものがあります。
そうしたものを総称して「知的財産」と呼びます。
知的財産の中には特許権や実用新案権など、 法律で規定された権利や法律上保護される利益に係る権利として保護されるものがあります。
それらの権利は「知的財産権」と呼ばれます。 

日本弁理士会公式サイトの知的財産権とはより引用

より具体的な商標権著作権についても見ていきましょう。

商標権

商標権は以下のように定義されています。

商標権とは
商標権とは、商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権で、その効力は同一の商標・指定商品等だけでなく、類似する範囲にも及びます。
商標として保護されるのは、文字、図形、記号の他、立体的形状や音等も含まれます。
権利の存続期間は10年ですが、存続期間は申請により更新することができます。

身近な商標権
私たちの周りで流通している商品や提供されているサービスのほとんどには商標がついています。
例えばペットボトルには、商品名や、商品を提供している製造業者のロゴがついていますが、これらを商標権で保護することで、第三者が同じような商品に勝手にその商標を使用することができないようになります。
また、それにより、消費者は安心してその商品を購入、または利用することができます。
同時に、商標は商品・企業イメージを高めることにも大いに役立っており、商品デザイン同様、その商品の売れ行きにも影響を与えます。

日本弁理士会公式サイトの商標権と商標出願より抜粋

例えばインターネットブラウザを開いた時にYahooやGoogleのロゴが目に入れば一目でわかると思います。

また、初めて行く街でもマクドナルドやスターバックスのロゴを見かければそこにお店があることがわかります。

このように私たちは知らず知らずのうちに企業やサービスのロゴを認知しています。

身近な商標権の説明文にある通り、「商品・企業イメージを高めること」に繋がっているわけです。

そして、これらのロゴ一つ一つに商標権が存在します。

企業やサービスのロゴが含まれている街の風景写真を販売すると商標権の侵害に該当するので注意しましょう。

ちなみにストックフォトサービスに企業やサービスのロゴが写った写真を販売申請すると、ほぼ間違いなく審査落ちします。

著作権

著作権は以下のように定義されています。

著作権とは
著作権は著作物を保護するための権利です。
著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。

身近な著作物
あなたの身の回りにも著作権で保護された多くの著作物が存在します。たとえば、小説、音楽、絵画、地図、アニメ、漫画、映画、写真等は、それぞれ著作物に該当します。

著作権の効力・発生
著作権は創作と同時に発生する権利です。
したがって、権利の発生のために特許庁や文化庁等の行政機関に手続きをする必要がありません。著作権を有すると、自身の著作物の利用を独占できると共に、第三者が無断でその著作物を利用していればそれを排除することができます。

日本弁理士会公式サイトの著作権とはより抜粋

簡単に言うと、写真は投稿者オリジナルのものでなければいけない、つまり第三者が撮影した写真を本人の許可なく、自分のオリジナルのものとして投稿してはいけないということです。

当たり前のことですが、SNSで他人がアップした写真を自分の作品として販売するのはNGですし、販売ではなく、無断転載ですらNGです。

よく耳にするのがSNSでフォロワー数が多い写真家の作品を自分のアカウントで投稿するというトラブルです。

フォロワー数を増やしたいがためにそのようなことをするのでしょうが、リスクが高いですし、写真家としての力も付きません。

自らの人生を貶めることになるので、楽しい人生を送りたいのであれば絶対に避けるべき行為です。

ちなみにほとんどのストックフォトサービスの利用規約に「著作権はストックフォトサービスの運営側に帰属する」旨、記載があります。

これはストックフォトサービスで販売される写真の著作権を撮影者からストックフォトサービス運営側に譲渡することを意味します。

「ストックフォトサービスA」で販売している写真を別の「ストックフォトサービスB」でも販売するのはNGということなので注意しましょう。


肖像権

肖像権ですが、実は法律で明文化された権利ではありません。

しかしながらSNSの浸透により肖像権を巡るトラブルが急増し、中には訴訟にまで発展するケースもあるため、写真を撮る者としては決して疎かにできない権利です。

肖像権はプライバシー権(人格権)パブリシティ権(財産権)の2つの側面を持っています。

以下、肖像権に関する考え方をまとめた文面です。

肖像権には二つの顔があり、①人格権の一部としての権利の側面と、②肖像を提供することが対価を得る財産権の側面とである。 

みずから一般人か有名人かを問わず、人は誰でも突然断りも無く他人から写真を撮られたり、自分の過去の写真が勝手に他人の目にさらされるなどという精神的苦痛を受けることなく平穏な日々の生活を送ることは、プライバシー権と同様に法的に保護されなければならない「人格的利益」の一つと考えられている。

パブリシティ権とは、肖像を商業的に使う権利である。
特に著名な俳優、芸能人、スポーツ選手などの肖像が広告として使用される広告価値があるのでそれ自体財産的価値を持つこととなる。
したがって、彼らを無断で撮影し、これを商業的に利用することに対し、彼らはその使用の差止めを請求したり損害賠償を請求する権利を持っている。

公益社団法人日本写真家協会公式サイトの著作権・撮る側の問題点~二つの顔・プライバシー権とパブリシティ権~より抜粋

簡単にまとめると、一般人・有名人を問わず、「特定できる人の顔や姿が写っている写真を無断で掲載・販売してはいけない」ということです。

意図せず写真に写り込んでしまった場合も被写体が人である以上、その人には肖像権があります。

そのため、本人の許可なく無断で写真を掲載した場合、肖像権の侵害に該当します。

もちろん許可を得ている場合は問題ありませんが、ストックフォトを販売する場合、肖像権を持つ被写体から許可を得た証明として写真と併せてモデルリリースを提出する必要があります。

参考までに主要なストックフォトサービスのモデルリリースへのリンクを掲載しておきます。

モデルリリースへのリンク

街中で写真を撮影する場合、高確率で人が写り込みます。

写真に写り込んだ人々には肖像権があることに留意し、権利を侵害しないように十分注意しましょう。


施設管理権

前述の肖像権は人に関する権利でしたが、撮影場所が施設などの場合、その施設にも権利が存在します。

それが施設管理権です。

施設管理権は肖像権同様、条文により明文化された権利ではありませんが、民法206条の所有権がベースとなり、認められた権利です。

民法206条の所有権の条文は以下の通りです。

民法第206条
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

民法206条の条文より

ストックフォトの観点ではこの所有物から生じる収益権が関係しています。

施設で撮影した写真で得た販売利益は本来その施設の所有者にあります。

そのため、第三者が施設で撮影した写真を許可なく販売し、利益を得ることは収益権の侵害とみなされるので注意しましょう。

なお、肖像権同様、施設から許可を得ているのであれば問題ありませんが、ストックフォトにおいては施設の所有者から許可を得た証明としてプロパティリリースを提出する必要があります。

参考までに主要なストックフォトサービスのプロパティリリースへのリンクを掲載しておきます。

 

プロパティリリースへのリンク

 

 

例として、ハウステンボス、平等院、日本武道館、マザー牧場といった施設については商用目的の撮影を明確に禁止しています。

その他の施設でも許可なく写真を販売することは訴訟などのリスクもあるので、撮影・販売前に事前に確認し、必要に応じて施設に許可を得ておきましょう。


その他注意すべきポイント

前述の権利の話とは異なりますが、最後に注意すべき重要なポイントを紹介します。

当然ですが、わいせつな画像や犯罪を助長するような写真は公序良俗に反するため販売できません。

社会的な秩序を守り、健全な写真のみを申請するようにしましょう。

以上がストックフォトに深く関わる代表的な権利・注意すべき重要なポイントです。

終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回はストックフォトと法律・権利について紹介しました。

実際には権利を侵害している写真はストックフォトの審査で落とされることが多く、世に出回る可能性は低いです。

とは言え、万が一審査に合格し、販売された時の訴訟やトラブルといった問題に巻き込まれないためにも、日頃から権利の問題を頭の片隅に置きながら写真を撮影・販売することが大事です。

これからストックフォトサービスに登録しようと思った方も、既に登録している方もこの記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。

なお、主要なストックフォトサービスの登録方法についてはそれぞれ下記の記事でまとめていますので、興味のある方はご一読ください。

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また、今後もこのブログをお読みいただけると、これ以上嬉しいことはありません。

あなたの写真ライフがより楽しく、より充実しますように。

それではまた!

  • この記事を書いた人

Litra

関東を中心に風景写真を撮影するフォトブロガーとして活動しています。ブログでは撮影スポットやストックフォトの紹介記事などを書いています。Twitterで撮影した写真を投稿しているのでフォローいただけると嬉しいです。

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