朝日・ブルーアワー

島面積の半分を占める野島公園。八景島シーパラダイスに昇る朝日が美しい

2020年9月6日

こんにちは。フォトブロガーのSHIN(@SHIN_Litra)です。

今回は神奈川県横浜市にある野島公園を紹介します。

小さな島の公園

野島公園は横浜市最南部平潟湾入口に浮かぶ小さな島の公園で、歌川広重に描かれた「金沢八景」の中の「野島夕照」で有名な地域だそうです。

島の面積の半分くらいが公園になっていて、バーベキュー場、キャンプ場、野球場などの施設があります。

アウトドアからスポーツまで楽しめる公園ですね。

さらに園内にある展望台からは横浜の海、房総半島、富士山など、広い景色を楽しむことができます。

公園内を散策しながらいろいろと撮影してみたので、園内を紹介したいと思います。

野島公園散策

まずは朝日を撮影したポイント”乙舳海岸”からの写真です。

それほど大きな海岸ではないですが、撮影には十分なスペースがあります。

乙舳海岸1
乙舳海岸2

見ていただくとわかる通り、乙舳海岸は浅瀬になっています。

実はアサリなどの貝類が自然発生しており、潮干狩りが楽しめるスポットになっています。

乙舳海岸3

園内にはバーベキュー場もあります。

コロナ禍ということで、今ではすっかり遠のいてしまいましたが、またいつか自然の中でバーベキューができるようになったらいいですね・・・泣

バーベキュー場

自然に溢れる野島公園、園内には小さな池もありました。

小さな池

園内には野島稲荷神社があります。

野島稲荷神社の歴史は鎌倉時代まで遡ります。

安貞元年(1227)、阿波守長島維忠の発願により、その子修理佐頼勝が造立したと伝えられているそうです。

約800年もの間、この土地を見守ってきた歴史ある神社なんですね。

野島稲荷神社

野島公園の頂上には野島山展望台がありますが、そこへたどり着くためのルートは2つあります。

一つは階段、もう一つは山道を登る方法です。

野島公園頂上への階段1

階段は木々に覆われているので、入り口からは先が見えません。

この時はまだ待ち受ける階段地獄を知る由もありませんでした・・・。

野島公園頂上への階段2

日頃の運動不足ということもあって既に結構足にダメージが来ていましたが、「もうすぐ頂上に着くし大丈夫だろう」と”たかをくくって”いました。

野島公園頂上への階段2

ただ、階段が思いの外多い、しかもまぁまぁ急・・・。

7月という初夏の季節柄、汗だくで飲み物もついに底を尽きてしまいました・・。

もしやこれって結構ピンチなのでは・・・と思いつつも一度登ったからには登頂せねばということで、来た道を振り返らず前身しました。

息も上がり、かなりしんどい状況でしたが、階段の途中で急に視界が開けた場所がありました。

その景色を見てみると、遠くに富士山が・・・!

少し霞んではいるものの、晴れているためしっかりその姿を確認できました。

富士山を見て、テンションも上がり、疲れも吹き飛びました。

展望台から見える景色はどんなだろうと期待を弾ませ、頂上を目指します。

階段の途中から見える富士山

階段を登り切ると、今度は坂道。

そこそこの傾斜はあるものの、階段に比べると天国かと思うくらい体に優しいです。

野島公園頂上への道1

そしてついに見えた野島山展望台。

青い空に映える白い展望台はまるでパラボラアンテナを天に向けたようなデザインでした。

緑に囲まれた中に佇む人工の建造物は失われた古代遺跡感があってテンション爆上がり。

野島山展望台

頂上の景色を目指して階段を登る。

ワクワク感があるからか、疲れはそれほど感じませんでした。

野島山展望台の階段

そしていよいよ頂上からの景色です。

これがまた美しい。

燦々と輝く太陽、空にかかる美しい雲、緑の木々、そして大きな船が行き交う大海原。

そこそこ疲れたけど、登って良かった・・・!

野島山展望台からの景色1

横浜の金沢区の街並みも一望できます。

野島山展望台からの景色2
野島山展望台からの景色3

そして、富士山!

肉眼ではっきり見えました・・・が、よりによって写真がピンボケ・・・涙

残念ながらお披露目できるクオリティではないので、割愛します・・・。

ぜひ皆さんご自身の目でご覧ください!(無理矢理)

と、景色を堪能したところで坂道を下っていきます。

帰りは来た道と異なる山道のルートで下山します。

道幅がそこそこ広く、道路も整備されているので非常に歩きやすいですが、傾斜が結構急なところがあります。

写真ではあまり急だと感じないかもしれませんが、意外と急な道です。

階段ほどではないでしょうけど、こちらの山道もそこそこ疲れると思います。

野島公園頂上への道

帰りにも視界が開けるスポットが。

こちらでは金沢漁港が一望できます。

こうして見ると、そこそこ高い場所にいることを実感しますね。

野島公園頂上への道からの景色

こちらは傾斜が緩い坂の写真です。

山道のメンテナンスがかなり行き届いているように感じます。

野島公園頂上への道

そんなこんなで野島公園の散策を終えました。

意外と疲れましたが、頂上の景色は見る価値アリです。

野島公園を訪れたぜひ登頂してみてくださいね!

余談:想像だにしなかった最悪の事態

散策は朝日撮影後だったので、あとは帰るだけでした。

いつものようにバイクを駐輪しているところに戻り、キーを解除しようとしたところ、鍵が全然回らない・・・。

かなり力を入れてみたものの全く動かず。

泥水の混入と錆びにより開かなくなった鍵

どうやら鍵が錆びていたのと、鍵穴がむき出しになっていた(フタは壊れてしまった)ことで、中に泥などが入り込んでしまったようです。

クレ556なら解決できるのでしょうけど、常に持ち歩いているわけもなく、近くのコンビニに電話するも当然置いておらず。

仕方なく鍵屋さんに連絡したものの土日で忙しく、2〜3時間後くらいなら駆けつけられるとのこと。

急を要することだったので、ひとまずお願いすることに。

とは言え、時間の経過とともに上がる気温、飲み物が尽きているにもかかわらず汗となって体から抜けていく水分・・・。

生命の危機すら感じるこの状況下で、あと2〜3時間も待機するのはしんどいなという想いが出てきました。

何か方法はないかと、さらにネットで検索していたところ、オリーブオイルで鍵が開くという記事を見つけました。

「オリーブオイルならコンビニに売っているだろう」ということで、徒歩で近くのセブンイレブンまで買いに行きました。

ついでにカラカラの喉を潤す飲料と空腹を満たす”ななチキ”で、一旦リフレッシュ。

救世主(!?)のエクストラバージンオリーブオイル

一か八かの賭けでしたが、2〜3時間無駄に過ごすよりはいいだろうと足掻いてみました。

鍵穴にオリーブオイルを注ぎ、1分半ほど待ったところで鍵を挿入してロックを解除。

すると・・・なんということでしょう!いとも簡単に鍵が開いてしまったではありませんか!

オリーブオイルの活躍で開いた鍵

「盗るな」という想いが強すぎたTORUNAさんに苦しめられましたが、オリーブオイルがすぐに解決してくれました。

外出先で絶体絶命のピンチを迎えるのは初めての経験でしたが、ネットで検索した情報でなんとか乗り切ることができました。

やはり情報というものは偉大ですね。

というわけで、同じように困った人がいた時に情報に辿り着けるよう、余談として掲載しました。

鍵穴が錆びてしまったらオリーブオイルで解決できる

それだけ知っていただければ私の苦い経験にも価値があったというものです。(もちろん鍵屋さんにはキャンセルの電話をしておきました)

というわけで、この後は本題の朝日の撮影の話に戻ります。

撮影写真

時間の経過とともに増える水量。岩場と波のスローシャッター撮影が楽しい。

まず1つ目の撮影ポイント、旧伊藤博文金沢別邸横のわき道から入って15mほど進んだところから撮影した写真です。

日の出40分前くらいから驚くほど速いスピードで空の表情が変化します。

そのため、常にベストな設定になるように1カットごとに設定を見直す必要があります。

設定の目安は細かすぎるのでここでは割愛しますが、別途設定目安をまとめた記事を書こうと思っています。

息つく間もありませんが、この1時間集中して自分が納得できる作品を撮りましょう。

撮影した写真がこちらです。

野島公園のブルーアワー


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:太陽光
シャッタースピード:60秒
絞り値:F16
ISO感度:50
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Soft GND 0.9 + KANI ND64

こちらの写真はAdobe Stockにて販売中です。
写真:野島公園のブルーアワー
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補足

長秒で撮影し、波が止まったような非現実感を表現してみました。

さらにLightroomでレタッチをして、淡く染める光を強調しました。

静かな水面、朝日に照らされて美しく燃える空と雲。

2つ目の撮影ポイントは乙舳海岸から撮影した写真です。

1枚目の写真は日の出1時間前の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:電球
シャッタースピード:60秒
絞り値:F11
ISO感度:200
焦点距離:14mm
レンズフィルター:なし

こちらの写真はPIXTAで販売しています。
写真:野島公園のブルーアワー
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補足

ホワイトバランスを電球に設定し、青の静寂を表現してみました。

ちなみにこの時間帯はまだ辺りが真っ暗で、肉眼ではこのような明るさにはなりません。

F11で撮影するため、ISO感度を200に設定してシャッタースピード60秒の長秒で撮影することで、ようやく暗闇の中の景色が写るようになります。

次の写真は日の出54分前の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:AWB
シャッタースピード:121秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:なし

こちらの写真はPIXTAで販売しています。
写真:野島公園のブルーアワー
販売中の写真一覧:ポートフォリオ

補足

1枚目の時間帯より少しだけ明るくはなっていますが、それでもまだ辺りは暗い状況です。

ISO感度を100に下げたことで、より長い時間撮影する(より多くの光を取り込む)必要が出てきた結果、120秒という長秒撮影をすることでなんとか風景が写るようになりました。

1〜2回長秒で撮影後、写真をチェックしてシャッタースピードを増減することで明るさを調整しています。

次は日の出33分前の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:太陽光
シャッタースピード:121秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Reverse GND 0.9 + KANI ND64

こちらの写真はPIXTAで販売しています。
写真:野島公園のブルーアワー
販売中の写真一覧:ポートフォリオ

補足

私の場合、日の出まで50分を切ったあたりからハーフNDフィルターを装着するようにしています。(晴れている日はその時間帯から徐々に空が明るくなります)

併せて、ND64を装着することで、長秒撮影が可能となります。

次は日の出19分前の写真です。

少し撮影場所を変えて撮影してみました。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:AWB
シャッタースピード:30秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Reverse GND 0.9 + ND64

こちらの写真はAdobe Stockにて販売中です。
写真:野島公園のブルーアワー
販売中の写真一覧:ポートフォリオ

補足

ホワイトバランスは太陽光、AWB(オートホワイトバランス)、日陰、曇天、蛍光灯:昼白色、蛍光灯:昼光色を使い分けています。

実際に撮影してみて判断しますが、この日はAWBの方が好みの空色を表現してくれたので、以降の写真はAWBを中心撮影しています。

また、日の出まで20分を切る頃には外がかなり明るいため、だんだん長秒撮影が難しくなってきます。

「ND64での長秒撮影は本日これで最後」という思いで、撮り納めました。

そしていよいよ日の出の時間となりました。

日の出1分後の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:蛍光灯:昼光色
シャッタースピード:2.5秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Reverse GND 0.9

こちらの写真はAdobe Stockにて販売中です。
写真:野島公園の朝日
販売中の写真一覧:ポートフォリオ

補足

少し色味の変化を持たせたいということと、太陽に照らされる雲を強調したいと考え、ホワイトバランスを蛍光灯:昼光色に変えて撮影しました。

期待通り、太陽の光が暖かみを帯び、美しく燃える空を表現することができました。

次に日の出2分後の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:AWB
シャッタースピード:1.6秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Reverse GND 0.9

補足

再びホワイトバランスをAWBに変えて撮影しました。

ちょうど建物から太陽の光源が現れたタイミングで、美しい光条を捉えることができました。

最後に日の出9分後の写真です。


カメラ:SONY α7RIII
レンズ:SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
撮影モード:風景
ホワイトバランス:AWB
シャッタースピード:1.3秒
絞り値:F11
ISO感度:100
焦点距離:14mm
レンズフィルター:KANI Premium Reverse GND 0.9

こちらの写真はAdobe Stockにて販売中です。
写真:野島公園の朝日
販売中の写真一覧:ポートフォリオ

補足

太陽の高度がだんだん高くなるので、ハーフNDフィルターを高度に合わせて調整しながら撮影しました。

撮影で使用した機材

参考までに今回の撮影で使用した機材を紹介します。

カメラ(SONY α7R3 ILCE-7RM3A)

 

カメラ(RICHO GR3)

 

レンズ(SIGMA Art 14mm F1.8 DG HSM)

【SIGMA】Art 14mm F1.8 DG HSM(ソニーEマウント用/フルサイズ対応)

 

レンズフィルター(KANI Premium Reverse GND 0.9 150mm×170mm)

 

レンズフィルター(KANI Premium Soft GND 0.9 150×170mm)

 

レンズフィルター(KANI ND64 150mm×150mm)

島面積の半分を占める野島公園。八景島シーパラダイスに昇る朝日が美しい

 

フィルターホルダー(KANI フィルターホルダー SIGMA 14mm F1.8 DG HSM 専用 150mm幅)

 

L字ブラケット(SmallRig SONY α7III/α7M3/α7RIII/α9 L-ブラケットキット)

【SmallRig】SONY α7III/α7M3/α7RIII/α9 L-ブラケットキット

 

三脚(Velbon UTC 53II AS)

 

 シャッターレリーズ(ロワジャパン RM-VPR1)

 

 

撮影ポイントについて

最後に撮影ポイントを紹介しておきます。

野島公園ではいくつか朝日を撮影できる撮影ポイントがあります。

一つ目の撮影ポイント"旧伊藤博文金沢別邸横”

第二駐車場付近にある旧伊藤博文金沢別邸横のわき道から入ると、海沿いに幅1mくらい海岸が広がっています。

人が来ないので穴場的な場所だと思います・・・が、道幅が狭いので落ちないように気を付けてください。

夜中はまだ干潮なので下に降りても海に浸かりませんが、明け方の満潮時には海に浸かってしまうのでその点も注意しましょう。

二つ目の撮影ポイント"乙舳海岸"

第一駐車場から入って歩いて5分程の距離にある乙舳(おつとも)海岸からも朝日を撮影することができます。

こちらも朝の時間帯は人が少なく、撮影ポイントとしては穴場と言えます。

スペースも広く、自由度が高いことを鑑みると、こちらの方がおすすめです。

他にも展望台からの撮影が気になっているので、折を見て撮影に挑戦してみたいと思います。

アクセス

公共交通機関でアクセスする場合

・金沢シーサイドライン「野島公園」駅から徒歩5分

 ※朝日の時間帯は電車が動いていないため、公共交通機関でのアクセスはおすすめしません

車・バイクでアクセスする場合

お手持ちのナビをお使いください。
野島公園へのアクセス

駐車場・駐輪場(バイク)情報

駐車場

ショウワパーク 野島公園(収容台数12台)

※朝日の時間帯は野島公園内の駐車場が営業時間外なので、ご注意ください
※24時間営業
※駐車料金
 5:00〜17:00(30分/100円)
 17:00-5:00(60分/100円)

駐輪場(バイク)

・野島公園第一駐車場横バイク駐車場(収容台数約20台)

 ※料金は無料です
 ※24時間駐車可能です

周辺設備情報

コンビニ

野島公園から少し歩いたところにコンビニがあります。

ファミリーマート 平潟店
セブンイレブン 横須賀追浜本町店

トイレ

駅または野島公園内のトイレを利用することが可能です。

終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

夜明けの空と美しい朝日は最高の一日の始まりを演出してくれます。

早起きが大変かもしれませんが、その大変さも一瞬で吹き飛んでしまうほどの癒しを与えてくれますよ。

もしこの記事を読んで「朝日を撮ってみたい」「朝日を見にいきたい」なんて思っていただけたら幸いです。

以下のページで朝日撮影スポットの記事一覧が見れます。

興味がありましたらご覧ください。

朝日・ブルーアワー撮影スポットの記事一覧

また、今後もこのブログをお読みいただけると、これ以上嬉しいことはありません。

あなたの写真ライフがより楽しく、より充実しますように。

それではまた!

  • この記事を書いた人

SHIN

北海道出身、千葉県在住。関東を中心に朝日・夕陽・ジャンクションなどを撮影しているフォトブロガーです。ブログでは撮影スポットやストックフォトの紹介記事などを書いています。X、Instagramで撮影した写真を投稿しているのでフォローいただけると嬉しいです。

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